単身者受け入れがしやすくなります!残置物の処理等に関するモデル契約条項

近年、ご入居の高齢の単身化が増えてきています。令和3年の高齢者白書では、平成27年には65歳以上の単身者世帯は約592万人になり年々増加傾向にあります。

お部屋を借りている単身者が亡くなった場合、民法の規定により賃貸借契約や残置物は相続人に引き継がれます。
このため相続人が見つかるまでお部屋の中の物を処分したり、契約を一方的に解除することができません。
身寄りの方が対応をして頂けると良いのですが、しばらく疎遠にしていたり、連絡が取れないケースも発生しています。
何とか相続人が見つかっても対応を拒まれるケースもあります。

そうした中、昨年6月に国土交通省と法務省が協力し『残置物の処理等に関するモデル契約条項』が公表されました。
今後増加していく単身高齢者の入居がしやすい環境づくり一環としてガイドラインの策定です。
法改正によるものではなく、従前からある法解釈にもとづくモデル条項案となります。
新規契約のみならず、既存の契約でも残置物の処理等に関する契約を行うことが可能です。

実際の賃貸借契約の現場では、賃貸借契約をする際は保証会社への加入を義務付けているケースが多く、賃借人が亡くなったあとの家賃の補償や、残置物の撤去から契約解除までは保証会社が行っています。
このため、契約時に保証会社と賃借人の間で、こうした時の処理の仕方について取り交わしが行われており、オーナー様が直接契約を結ぶことは無いようです。
保証会社がその保証を引き受けるかどうかポイントにはなりますが、保証会社としても受け入れしやすい環境が整いつつあるかと思います。

以下、国土交通省で出しているパンフレットより

<モデル条項>

第1条(本賃貸借契約の解除に係る代理権)
委任者は,受任者に対して,委任者を賃借人とする別紙賃貸借契約目録記載の賃貸借契約(以下「本賃貸借契約」という。)が終了するまでに賃借人である委任者が死亡したことを停止条件として,
①本賃貸借契約を賃貸人との合意により解除する代理権及び
②本賃貸借契約を解除する旨の賃貸人の意思表示を受領する代理権を授与する。

第2条(受任者の義務)
受任者は,本賃貸借契約の終了に関する委任者(委任者の地位を承継したその相続人を含む。以下この条において同じ。)の意向が知れているときはその内容,本賃貸借契約の継続を希望する委任者が目的建物の使用を必要とする事情その他一切の事情を考慮して,委任者の利益のために,本契約に基づく委任事務を処理する義務を負う。

第3条(本契約の終了)
以下の各号に掲げる場合には,本契約は終了する。
① 本賃貸借契約が終了した場合
② 受任者が委任者の死亡を知った時から【6か月】が経過した場合
※【】内は,当事者が具体的な事案に即して合意の内容や必要事項等を記載することを予定したものである。