ペット飼育の場合の原状回復の考え方

退去時の賃借人の現状回復は経年劣化や通常の使用による損耗は貸主が負担するという考え方が一般的になっています。
これは経年劣化や通常の損耗に関しては賃料に含まれているという考え方から来ています。

しかしながら、ペットを飼育した場合には通常の使用よりも劣化が進みやすくなる傾向があり、通常損耗か特別損耗かどうかが問題になる場合があります。
基本的な考え方としては
・ペット飼育により賃料が増額されている
・ペット飼育専用物件で相場よりも高い金額に設定されている
こういった場合には通常の損耗として見られる傾向があります。

過去の判例でこの通常損耗か、特別損耗なのかが争われたことがあります。
裁判では猫の飼育に伴い、飼育を認められていたとしても、賃借人の善管注意義務は発生しており、ペットによる損耗は特別損耗をして賃借人の負担となることを認めました。
しかしながら、修理費用を全額借主負担にすることは、経年劣化や通常損耗を含んだ部分の修理をすることにもなり、賃貸人が過剰な利益を受けるとして、30%程度の賃借人負担にする判決となりました。

ペットの飼育における傷や汚損が特別損耗になる場合でも、新築時やリフォーム時からの経年や全面貼替をした場合に傷や汚損を受けていた部分がどの程度の割合になるかが工事費用の負担割合を決める要素になってきます。