【東海道線・相模線】茅ヶ崎エリアで「駅距離」が家賃に与える影響とは?沿線別賃貸需要と効果的な空室対策

茅ヶ崎エリアでアパートやマンションを所有する貸主(オーナー)様にとって、「所有物件の立地」と「最寄駅からの距離」は、家賃設定やこれからの空室対策を左右する極めて重大な要素です。
近年、湘南エリアは移住先やリモートワークの拠点として非常に高い知名度と人気を集めていますが、一方で、一概に『茅ヶ崎の物件だから埋まる』というわけではありません。
本記事では、主要幹線である「東海道線」と地域を縦断する「相模線」という異なる2大路線の特性を踏まえ、実際の物件データを用いた最新の家賃相場と、駅から徒歩10分を越える物件(駅遠物件)であっても高い稼働率・適正家賃を維持するための実践的かつ具体的な空室対策を地元のプロの目線で徹底解説します。

目次

  1. 「東海道線」と「相模線」で変化する!茅ヶ崎エリア沿線の賃貸需要と入居者特性
  2. 【実際の物件データ比較】茅ヶ崎エリアの間取り系列家賃相場と駅距離による家賃の影響
  3. 駅から遠い「駅遠アパート・マンション」を人気の優良物件へ変え満室を目指す対策
  4. 【まとめ】茅ヶ崎の地域特性を活かした賃貸経営!安定稼働を実現するためのポイント整理

「東海道線」と「相模線」で変化する!茅ヶ崎エリア沿線の賃貸需要と入居者特性

都心アクセス重視!東海道線(茅ヶ崎駅)沿線のターゲット層と重要視される「駅徒歩」の基準

JR東海道線(茅ヶ崎駅)沿線の賃貸需要における最大の特徴は、「都心通勤・通学を前提とした圧倒的な利便性」と「湘南スローライフ(海辺のカルチャー)」の見事な調和にあります。
茅ヶ崎駅から都心の主要ターミナル駅までは、東海道線・湘南新宿ライン・上野東京ラインを網羅することで、横浜駅まで直通約35分、東京・品川・新宿・渋谷駅へも乗換なしで1時間圏内という驚異的な立地条件を誇ります。

それゆえに、このエリアを選ぶ賃貸ユーザーの主体は、都心近郊へ通う20代〜30代の単身層や、利便性を追求しながら広々とした部屋で家族を育てたいDINKs・共働きファミリー層です。
彼らの行動属性として「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する傾向が非常に高く、「駅徒歩分数」は物件をWEBで比較検討する際の最もシビアなファーストフィルターとなります。
実際に東海道線近郊の賃貸入居者は、基本原則として「駅徒歩10分以内」を強く求める傾向があり、この徒歩条件を満たした賃貸アパート・マンションは、競合との相見積もりにおいても市場価値が非常に高くキープされます。

車社会と平穏さを好む!相模線(北茅ヶ崎・香川駅)沿線における独自の賃貸ニーズ

主要幹線である東海道線から北側へと延伸する「JR相模線(北茅ヶ崎駅、香川駅など)」に目を移せば、賃貸経営を取り巻く需要環境は180度異なる表情を見せます。
相模線沿線最大の魅力は、海辺のような賑やかさとは一線を引いた「落ち着いた閑静な住宅街」と、良好な住環境です。
この路線を選ぶ入居者は、毎日の都心通勤者よりも、茅ヶ崎・藤沢・寒川エリアのみならず、相模原・厚木などの内陸工業団地や周辺の中小企業、地元行政などに勤務している方が多いのが特徴です。

こうした人々の生活動線には、必然的に「車通勤」「自転車利用」が無理なく組み込まれており、電車に対する依存度が相対的に低くなります。
すなわち、駅の目の前に住むことよりも日々の買い物が便利である「スーパーマーケットが徒歩圏にあるか」「前面バイパスや幹線道路に車で出やすいか」「駐車場が安い、もしくは複数台確保できるか」といった車社会ありきの評価基準が重視されます。
そのため、相模線・香川駅周辺などでは、駅から少し離れた一見ハンデとなり得るポジションであっても、ファミリー世帯から指名され安定した入居を維持できることが少なくありません。

【実際の物件データ比較】茅ヶ崎エリアの間取り系列家賃相場と駅距離による家賃の影響

データが示す現実:東海道線・茅ヶ崎駅と相模線・各駅の平均賃料相場比較

賃貸物件の経営やリフォーム(修繕)への投資、新たな投資計画を行うにあたって基本となるのは、実際の市場価格を客観的な指標で測定することです。
LIFULL HOME’S等の賃貸相場データ に基づいた、2026年最新の茅ヶ崎駅(東海道線)および北茅ヶ崎駅・香川駅(相模線)周辺における徒歩10分以内のアパート・マンション平均賃料相場を以下にまとめました。

最寄駅名ワンルーム・1K・1DK1LDK・2K・2DK2LDK・3K・3DK
茅ヶ崎駅(東海道線)約 7.34 万円約 12.68 万円約 15.65 万円
北茅ヶ崎駅(相模線)約 6.32 万円約 8.10 万円約 10.30 万円
香川駅(相模線)約 6.30 万円約 7.90 万円約 10.10 万円

上記のデータが表す通り、単身者向けのワンルーム・1Kであっても、茅ヶ崎駅周辺と相模線周辺(北茅ヶ崎駅・香川駅)では賃料相場に月額1万円相当、年間に換算すれば12万円以上の明確な格差が生まれています。
広めのファミリー向け2LDK物件ともなれば、その賃料差は月額5万円近くに達します。
これは「都心への直通接続性」の有無がそのまま家賃相場の実力となって投影されている結果と言えます。

誰もが気になる「駅徒歩10分の壁」は茅ヶ崎でも有効か?駅距離と下落比率の実態

不動産広告のルール(不動産の表示に関する公正競争規約)に基づく、いわゆる「徒歩10分の壁(800m)」は、入居者による絞り込み検索に強烈な影響を与えます。
東海道線の「茅ヶ崎駅」において、徒歩分数が増えることで想定家賃がどのように変動するのか、下落率(査定金額の変化値)は以下が標準的なマーケット実態になります。

東海道線・茅ヶ崎駅徒歩分数に伴う家賃下落推計

  • 駅徒歩1分〜5分:基準相場 + プレミアム評価。単身向けは最も安定。
  • 駅徒歩6分〜10分:安定基準賃料。市場の中核となる価格帯です。
  • 駅徒歩11分〜15分:相場より約8%〜12%下落。10分の壁が生じる境界線。
  • 駅徒歩16分以上(駅遠):相場より約15%〜23%下落。自転車・バス利用を想定。

対照的に、車社会である相模線の北茅ヶ崎駅や香川駅周辺エリアにおいては、駅徒歩10分を越えた「徒歩15分」「徒歩20分」の物件であっても、下落幅は非常にマイルド(約5〜8%程度の下落)に留まるという非常に興味深いデータ推移を示します。
これは、もともと「駅まで歩く」ことを前提としていない、車生活前提 of ファミリーや単身者の割合が圧倒的多数を占めているため、価格競争に巻き込まれにくいからです。
この特徴を押さえることで、各路線で全く違った賃貸管理戦略が可能になります。

※茅ヶ崎市の賃料動向については以下の記事でも詳しく解説しています。
【2026年最新】茅ヶ崎市の賃貸相場動向|賃料は上がっている?

駅から遠い「駅遠アパート・マンション」を人気の優良物件へ変え満室を目指す対策

初期投資を最小限に!入居者プレゼント設備としての「高速インターネット」「宅配ボックス」の導入

「駅から距離があるから、安く家賃を設定するしかない……」そんな風に諦めていませんか。
実は、単純に賃料を数千円値下げして長期的な収入源自体を減らすよりも、人気設備への適切な設備投資を行い、物件全体の『物件力』を向上させて適正家賃で成約させるほうが結果としてトータルのコストを低く抑えることが可能です。

そこで、特に導入メリットが高い鉄板のアイテムが「無料の高速Wi-Fi・インターネット回線」と「宅配ボックス」の2軸です。
今や若手単身者やテレワーカーは、引越し直後から快適なネット接続環境を整えたいと願っており、ポータルサイトでの絞り込みの際に最も希望の上位に挙げられるのがインターネット無料物件。
また、置き配の普及等に伴い、「宅配ボックス」も必須。
この2点は一度設置してしまえば月数千円ほどの運用費用、あるいは数万円の買い切り初期投資で導入でき、ネット上の物件露出数が急増すると同時に、10分を越える徒歩分数のデメリットを容易に打ち消す好条件へ生まれ変わります。

競合から圧倒的指名買いを目指す!強力なアプローチ「駐車場確保」と「ペット可」への条件緩和

さらに、競合する大手ハウスメーカーの新築物件などに正面から勝負を仕掛けて勝つためには、他社が容易に真似できない「条件緩和」が最も鋭い武器になります。
特に相模線沿線の北茅ヶ崎や香川、そして茅ヶ崎駅から離れたバイパス寄りのエリアであれば、「カースペース(敷地内駐車場)」の確保は、最強の入居促進カードになります。
敷地内に空きがなくても、管理会社を通じて至近距離にある月極駐車場を借り上げて一括賃貸パッケージ(家賃・駐車場込みプラン)として募集することで、ユーザーのお得感を高めることができます。

また、湘南エリアという性質上、入居付けに凄まじい絶大な威力を誇るのが**「ペット相談(特に小型犬や猫など)への緩和」**です。
茅ヶ崎周辺は、海まわりの散歩を楽しみたい愛犬家の方々が全国から集まる地域ですが、一方で新築や築浅の賃貸物件はその維持目的から「ペット不可」としているところが実に全体の8〜9割に及びます。
この条件のギャップに対し、「駅が多少遠くてもペットと一緒に暮らせるアパート」として売り出すことで、他社を圧倒するほどの熱い指名検索(名指しでの入居問い合わせ)を、家賃を下げることなく獲得することができるようになります。

実際に、当社が直近でお手伝いした事例でも、「ペット可」への条件緩和が爆発的な効果を発揮しました。
長期間にわたって空室が続いていたお部屋があり、貸主様のご決断により『ペット不可』から『ペット可』へと募集条件を見直したところ、なんと条件変更を行った「翌日」に入居お申し込みが入るという劇的な結果となりました。
いかにこのエリアにおいて「ペットと暮らせる住まい」の需要に対し、実際の供給(物件数)が圧倒的に不足しているかが顕著に表れた一例です。

【まとめ】茅ヶ崎の地域特性を活かした賃貸経営!安定稼働を実現するためのポイント整理 SUMMARY

沿線ごとの入居者ニーズを捉え、適切なターゲット像を明確に設定する

本記事で解説してきたように、茅ヶ崎エリアにおける賃貸経営の成否は、「東海道線と相模線の沿線特性にどれだけ適応できるか」にかかっています。
都心への利便性と湘南らしさを同時に求める東海道線沿線では、「駅徒歩10分」という基準が絶対的なキーポイントとなり、時間効率を最優先する入居者に向けた戦略が必要です。
一方、のびのびとした住環境と車社会が根付く相模線沿線では、駅からの距離よりも買い物の利便性や道路アクセス、駐車場の有無といった実用的な付加価値が何よりも重要視されます。

貸主様にとって最も避けるべきなのは、所有している物件の立地や近隣のライバル物件の状況を詳細に確認しないまま、「とりあえず駅から遠いから」一律に不利だと設定を諦めてしまうことです。
まずはご自身の所有する物件が、該当するエリアにおいてどのような層(単身者、共働き、車保有ファミリー、ペット愛好家など)に深く刺さるポテンシャルを備えているのか、適切なターゲット像(ペルソナ)を客観的・データ的に明確化することが、安定経営への道筋を切り開く確実な第一歩となります。

安易な家賃値下げに頼らず「物件の付加価値」をプラスして選ばれる部屋へ

一度設定した家賃を安易に引き下げることは、貸主様にとって目先の空室を埋める手段にはなっても、物件そのものの持つ収益力や資産価値を自ら低下させる「引き算の経営」に他なりません。
これからの時代に長期的に勝ち残る賃貸経営は、入居者から選ばれる新しい強みを導入していく「足し算の経営」です。
その最良の選択肢が、時代に合わせた設備の拡充や条件の緩和にあたります。

「高速Wi-Fi・インターネット回線無料化」や「宅配ボックスの設置」などは、少ない経営コストで劇的にポータルサイトでのマッチング効率を高める賢い付加価値です。
さらに、東海道線から離れた駅遠物件であることの不利な側面を「ペット可相談への条件変更」や「専用駐車場の整備・提供」によって強力なアピールポイントに転換すれば、駅周辺のマンションや新築競合にも打ち勝つ指名物件へと導くことができます。
このように市場を客観的に観察し、相手の欲しいメリットを提示し続ける仕組みづくりこそが、満室を持続させる唯一の法則です。

センチュリー21 住宅流通センターでは、茅ヶ崎・湘南エリアの市場動向に関する疑問や、お持ちの不動産のポテンシャル診断(適正査定)について情報提供をいつでも行っております。

「この駅距離、この間取りの最適な活かし方とは?」「今の設備は時代に合っているか?」など、気になる点がございましたら、当地域を熟知した相談窓口としてまずは軽やかにお問い合わせ・ご相談をどうぞ。